フージャースコーポレーション東証18907

 

 

 

 

【ポイント】

埼玉県、千葉県を中心にマンションの企画・販売及び不動産管理を手掛ける。華美な設備は持たないが、基本性能にこだわり広くてリーズナブルな価格が受けている。

05/3期は主力のマンション販売が好調に推移、59.3%の増収となり、経常利益はほぼ倍増した。06/3期は47.4%の増収、75.0%の経常増益が見込まれる。足下の販売は好調で、4月末時点の引渡し戸数は、既に通期計画の63%弱に達している。5月11日に開催された決算説明会において廣岡社長は「今期業績はかなり固まりつつあり、既に視点は07/3期にある」とコメントした。

好業績の背景にあるのは、インターネットの普及によるマンション販売の変化である。先日、「マンション分譲最大手4社で、2004年度のネット経由の購入者の割合が30%を超えた」との報道があった。インターネットを活用すれば、時間をかけなくても簡単に多くの物件を比較することができる。このため、営業マンのセールストークに乗せられて買うのではなく、立地条件や価格など様々な項目を比較し、吟味して納得のいくものを買うことができる。これまでのマンション販売は営業力に頼る部分が多く、購入者の満足度の高さと販売実績(戸数の多さ)の相関度は低かった。

業績の拡大により当社の時価総額はジャスダック上場の16億円から約2年半で400億円に拡大。2度の株式3分割に加え、新興企業では珍しく配当もしている。単独ベースで配当性向10%以上を考えており、今期も増配が予想される。

 

 

 

1.埼玉県でマンション分譲第1

リクルートコスモスで億ションの販売を手掛けていた廣岡社長が1994年に有限会社フージャースを設立。95年6月に株式会社フージャースコーポレーションに改組した。当初は、不動産業者から紹介を受けた土地情報を中堅のデベロッパーに持ち込み、そのマンションの企画や住民説明などを代行することで収益を上げていた。

その後、マンションの販売代行や共同事業で実績を積み、設立4年目に自社単独での分譲事業を手掛けた。2002年10月にジャスダック上場、03年10月の東証2部上場を経て、04年9月東証1部に指定替えとなった。

社名のフージャース(Hoosiers)とは、アメリカ中部インディアナ州の州民の愛称。豊かな住環境に恵まれた同地にあやかり、「日本の住まいを豊かにする」という思いが込められている。

 

事業は、新築マンションや戸建の分譲等を行う不動産分譲事業と自社分譲マンションの管理・アフターサービスやマンション顧客へ保険や物品等を販売する不動産管理事業に分かれ、05/3期実績で前者が99.5%を占める。

 

グループは当社の他、販売を行う潟tージャースハートと不動産管理等を行う潟tージャースリビングサービスの連結子会社2社。連単倍率は、売上高1.01倍、当期利益1.07倍。

 

 

 

2.売る営業ではなく、マーケティング重視の売れる営業

(1)価格帯と商品コンセプトで3ブランドを使い分け

主力の「不動産分譲」では、(1) 6000万円前後(都心部の場合、以下同じ)で高所得者層向け「デュオヒルズ」シリーズ、(2)4500万円前後で単身者やディンクス(子供のいない共稼ぎ夫婦)層向け「デュオ」シリーズ、(3)3500万円前後でファミリー層向け「ウィズ」シリーズと、価格帯と商品コンセプトにより3つのブランドを使い分けている。ちなみに、施工するゼネコンは、前田建設、安藤建設、鴻池組、東海興業、国土開発などが多い。

埼玉県、千葉県に営業エリアを絞り込んでいるだけに地域特性を熟知しており、立地条件や最寄り駅などから購入者層を想定し物件を企画。また、いずれのシリーズも基本性能にこだわり華美な設備を設置せず価格を抑えている。最近よく売れているのは、価格を抑えた「ウィズ」シリーズ。年収400600万円の層を対象に、千葉県や埼玉県で駅から徒歩20分程度と少し歩くが、占有面積の広さ(8090u)とリーズナブルな価格(25002700万円台)が受けている。

 

(2)経営指標

経営指標として、@年率20%以上の経常利益の成長率、A年間供給戸数2,000戸、B完成在庫ゼロの継続、C自己資本比率30%以上を掲げている。

 

@年率20%以上の経常利益成長率

年間供給戸数の増加による事業拡大と各プロジェクトの利益率の向上などにより、経常利益ベースで年率20%以上の成長継続を目指している。

 

A年間供給戸数2000戸

08/3期に年間供給戸数約2,000戸を目標としている。2000戸程度までは、埼玉県及び千葉県を主要エリアとしていく方針で、「埼玉県・千葉県の供給戸数ナンバーワン」を目指す。ただ、今期から実験的に東京都及び神奈川県の郊外で事業化にも取り組む考え。

 

B完成在庫ゼロの継続

05/3期は、980戸の引渡予定に対し979戸の引渡を完了。残り1戸も、05年4月末時点で契約を終えた。また06/3期においても、マンション1281戸の引渡を予定しているが、05年4月末時点で803戸(進捗率62.7%、3月末717戸)が契約済みとなっており、今期の販売も順調である。なお、今期は上記以外に戸建38戸の引渡を予定している。

今後も、事業年度の期初の時点で引渡予定戸数の50%超の契約完了を維持し、完成在庫ゼロの継続に努めていく方針。

 

C自己資本比率30%以上

事業拡大と経営基盤強化のバランスを保つうえでの一つの指標として、自己資本比率30%以上を経営目標としている(05/3期末39.3%)。

 

 

 

3.今06/3期も販売は好調、既に通期計画の63%弱を達成

(1)05/3期

連結売上高は前期比59.3%増の210.3億円、経常利益同97.6%増の28.5億円、当期利益同105.2%増の16.8億円、EPS 16,347円となった。

 

低価格の郊外型ファミリー向けマンションが好調に推移、不動産分譲事業の引渡しは10棟979戸(前期比1.7倍)及び戸建分譲1区画。契約戸数は52.9%増の1225戸及び1区画。同事業の売上高は同58.8 %増の209.2億円、営業利益同89.5%増の28.8億円となった。また、不動産管理事業は売上高・営業利益共に僅少ながら、本格的にマンション管理が始まったほか、保険代理事業等も堅調に推移した。期末管理戸数は1326戸(前期末は383戸)。

 

 

(1)06/3期

連結売上高は前期比47.4%増の310億円、経常利益同75.0%増の50億円、当期利益同71.7%増の29億円、EPS 26,912円、配当2520円を計画。

 

引渡し戸数は34.7%増の1319戸、契約戸数は28.2%増の1571戸を計画。足下の販売は好調で、4月末時点の引渡し戸数は、既に通期計画の63%弱に達している。また、期末管理戸数は前期比1.8倍の2418戸を計画している。