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不動産投資クラウドファンディングは、少額から不動産投資を始められる手軽さと、不動産のプロによる運用で高い利回りが期待できることから、近年注目を集めています。実際に年換算で10%を超える利回りを実現し、運用を無事に終えて償還されたファンドが少なくありません。
ただし、銀行預金のように元本が保証されているわけではありません。仕組みやリスクを十分に理解した上で、ご自身の資産運用に活用することが重要です。
不動産投資クラウドファンディングの基本
法制度に守られた安全投資
不動産投資クラウドファンディングは、「不動産特定共同事業法」という法制度に基づいて行われる不動産投資の一種です。
投資家から資金を募り、その資金で不動産を購入・運用し、得られた運用益を投資家と分配する仕組みです。
当初は紙ベースの契約書が必要で手間がかかり、最低出資金額も100万円～500万円程度と敷居が高いものでした。しかし、2017年の法改正により、インターネットでの契約申し込みが可能となり、手続きの手間が大幅に軽減され、最低出資金額も大きく引き下げられました。
この法改正と、高い利回りが期待できる点が相まって、市場は急速に拡大しています。国土交通省のデータによると、2019年に約3.4万人だった投資家数が、2023年には約29.7万人と急増しています。
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REIT（不動産投資信託・J-REIT）との違い
不動産投資クラウドファンディングは、REITと比較されることがよくあります。主な違いは以下の通りです。
投資対象と期間
- 不動産投資クラウドファンディング : 期間を定めて特定の物件（多くは単一物件）に投資・運用
- REIT : 期間を定めず、複数の不動産を組み入れたポートフォリオ運用
途中解約の可否
- 不動産投資クラウドファンディング : 定められた運用期間中は、原則として途中解約は不可
- REIT : 株式と同様に市場で売買されるため、いつでも購入・売却が可能
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ファンドの募集と申し込み
資金募集は、ウェブサイト上で投資対象不動産を特定したファンドの募集情報が公開され、投資家が出資の応募・契約をすることで成立します。
不動産投資の契約がサイト上で完結することから、「不動産投資クラウドファンディング」と呼ばれています。
ファンド情報の詳細な開示
募集情報には、投資対象不動産の詳細情報に加え、ファンドの運用終了時に支払われる配当の想定利回り（年換算した利回り＝年利）や運用期間の前提などが含まれています。
投資家はこれらの情報を基に、ファンドへの投資（出資）を検討します。
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投資家から集めた資金の運用方法
不動産投資クラウドファンディングでは、投資家から集めた資金でマンションやオフィスなどの不動産を購入し、賃貸することで得られる賃料を投資家に配当します。
賃貸運営においては、賃貸に強みを持つ不動産会社などとマスターリース契約（一括借り上げ契約）を締結するケースが多く、これにより配当の原資となる賃料収入の安定化が図られます。
運用期間が終了するまでに、運用している不動産を売却し、その売却代金で元本が償還されます。
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不動産クラファンのメリットとデメリット
メリット
少額での不動産投資が可能
一般的に1万円といった少額から投資が可能な点が、不動産投資クラウドファンディング（不動産クラファン）の大きなメリットの一つです。
ほったらかし不動産投資
実際の不動産運用は不動産のプロが行うため、投資家は不動産に関する特別な知識を必要としません。出資金を払い込んだ後は、文字通り「ほったらかし」で投資が可能です。
高い利回り
高い利回りが期待できることもメリットの一つです。ファンド募集時には、不動産の運用によって期待できる「想定利回り」が開示されます。
想定利回りは3%前後から10%を超えるものまで様々ですが、低いものでも定期預金などの金利を大きく上回る傾向にあります。運用期間は数カ月から2年程度が中心です。
デメリット
配当や元本が保証されない
不動産投資クラウドファンディングでは、配当金の支払いや元本が保証されません。実際の不動産投資と同様に、不動産市況リスク、プロジェクト（事業）リスク、自然災害リスクなどがある他、運営会社の経営リスクも存在します。
原則として途中解約できない
不動産投資クラウドファンディングは、あらかじめ運用期間を定めて不動産投資を行うため、原則として運用期間中の解約はできません。このため、急に資金が必要になった場合でも、解約して対応することはできません。余裕資金で行うことが推奨されます。
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クラウドファンディングで資金を調達する側のメリット
不動産を購入したり開発したりする場合、金融機関からの借り入れ（調達）は、不動産投資クラウドファンディングよりも金利を抑えられる可能性があります。しかし、金融機関からの借り入れには手間と時間がかかります。
また、複雑な権利関係を理由に借り入れ自体ができない物件も少なくありません。しかし、不動産のプロであれば複雑な権利関係の整理に精通しており、権利関係が整理されれば不動産の価値は上がり、値上がり益（キャピタルゲイン）が期待できます。
こうしたケースで頼りになるのが、機動的な資金調達が可能なクラウドファンディングです。金融機関からの借り入れよりも資金コストが高くても、機動的な資金調達ができることで、より多くのキャピタルゲインが期待できるというメリットがあります。
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まとめ
不動産投資クラウドファンディングは、少額から不動産投資を始められ、専門家による運用で高利回りが期待できる魅力的な投資方法です。法制度に守られ、インターネットでの手軽な契約が可能になったことで、近年急速に市場が拡大しています。
REITとは異なり、特定の物件に期間を定めて投資し、原則として途中解約はできません。配当や元本が保証されないリスクも存在しますが、余裕資金での活用により、安定した賃料収入や売却益を期待できます。
また、資金調達側にとっても、機動的な資金調達が可能になるというメリットがあります。仕組みとリスクを理解し、ご自身の資産運用に役立てましょう。
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